SOHO オフィスの近道
RCでは、地方の中小ゼネコンと大手ゼネコンとで技術力に差はつきにくい。
したがって、価格競争は激しい。
大手ディベロッパーは、工事代金をすぐに払うか、3分割にして払う。
分割するのは暇痕担保の意味で、工事の不具合を直させるために支払いを分割しておくのだ。
すぐに払う場合は金利相当分をまけさせるディベロッパーもある。
中小ディベロッパーの場合は、銀行から土地代の融資を受ける。
資金繰りに余裕のないところは、マンションの建設資金をゼネコンに立て替えさせることが多い。
ゼネコンへの入金は、マンションの販売後になる。
そのため、ゼネコンは資金回収に手間取る。
それでも工事がほしくて手を挙げる地方の中小ゼネコンが、条件の悪いマンション建設を受注していく。
売れるマンションをつくるためにマンションの設計は2段階ある。
基本設計の後に、いよいよ実施設計の段階になる。
ディベロッパーが設計事務所に設計と工事監理の2つを発注する。
設計監理とよく表示されているが、これは設計図どおりに建てられているかどうかをキチンとチェックして、施主に損害がないようにする役割。
実施設計と設計監理とを合わせて、工事費の料金の差は、案件が巨大であるかどうかで変わる。
巨大であれば率は落ちてくる。
また、小さいものでも簡便なものは率が低い。
難しいものは率が高くなる。
叩億円の工事費で7500万円くらいが上限である。
実施設計の中身は意匠設計、構造設計、設備設計に分かれている。
意匠設計まで進むとだいたいどれくらいの床面積がとれるかが計算できる。
「万平方メートルタイプで、このタイプを何戸、こちらのタイプを何戸入れてくれ」とディベロッパーから設計事務所に指示が出る。
ドアを開ける方向でコンセントにぶつからないようにする、などというのは前提の話。
「詳しく説明しなければならないなら、別の設計事務所に出してしまうよ」というのがディベロッパーの姿勢だ。
間取りのタイプの原案は、設計事務所ではなく、ディベロッパーの商品企画部門が担当する。
間取りを中心に意匠の設計が終わる。
意匠設計が終わると構造設計にいく手順になっている。
構造設計への依頼は、意匠設計をやっている設計事務所から構造設計の担当者にいく。
ディベロッパーと設計事務所とはやりとりがあるが、構造設計者とは通常接触がない。
意匠設計をやっている設計事務所から構造設計者に直接依頼がいく。
一般にディベロッパーは、同じゼネコンや設計事務所を集中かつ継続して使うということをあまりしない。
ゼネコンも設計事務所も入れ替えたり振り分けたりして使っている。
その大きな理由は、案件持込主義だからである。
金融機関の紹介で用地が手当てされた場合には、金融機関の意向を考慮してゼネコンや設計事務所を指名することになる。
また、ディベロッパーのところで順番待ちの設計事務所を考慮することもある。
通常、ディベロッパーの一人の担当者は4社くらいの設計事務所と取引がある。
久米設計とか、日本設計とかいう大手の設計事務所もあれば、2、3人でやっている小さな設計事務所との取引もある。
設計事務所の能力や設計にかけられる費用によって、仕事を振り分けている。
設計事務所で、構造計算を自社で行うところは少ない。
ほとんどは構造専門の設計事務所に外注に出しているのが実態である。
構造計算の専門部隊がいるのは、大手設計事務所くらいだ。
マンションの設計では、施工業者A、設計監理Bと書いであっても、その設計事務所では構造計算をやっていない場合が多い。
マンションの設備設計は、複雑なところはほとんどない。
ユニットバスから何から規格商品がある。
大きさと仕様だけ決めてしまえば、間取りに設備を自動的に置いていくだけである。
ディベロッパーからみると、ほとんど一瞬でできてしまう。
トイレを含めて水回りをー系統にして流すか、2系統にするかぐらいを設備設計の段階で決めればいいだけである。
慣れてしまうと簡単だ。
そんなに難しいことやっていないだろうと、ディベロッパーから設備設計者はいわれてしまう。
そして経費が圧縮される。
意匠設計に含まれてしまう。
ただ、設計事務所が新しい設備を提案することはある。
また、マンションの販売代理会社が商品企画の段階で設備について提案することもありうる。
つまり、設備においても商品企画が先にある。
「当社の仕様はこうなっている」といえば、設備設計などは一瞬にしてできてしまう、とディベロッパーは考えている。
給排水設備をどこに通すかという問題がある。
それもマンションというのはコア構造になっているから上下に1本、管を通すだけだ。
商品企画の段階でディベロッパーが、床暖房にしようとか、ユニットバスをこのグレードで、大きさはこのくらいにしようというのを決める。
それに基づいて図面化するだけだ。
設備設計は、意匠設計とひっくるめになっている。
通常のマンションディベロッパーは、意匠設計を担当する設計事務所を窓口にして、設計の全部を依頼してしまう。
設備設計、構造設計も含めて、意匠設計を行う設計事務所に委託している。
広告代理店、その傘下で働いている不動産販売企画会社、商品イメージの形成だ。
新たにマンションを建てる地域では、どういう商品のマンションをつくるか、そしてどういうふうに販売するかを企画する。
この地域では、購買層は子どもが一人いる世帯が中心と判断すると、キッズルームやプレイロットを共用施設に入れる、というふうに企画していく。
しかし、Hは共用施設を少なくして「100平方メートル以上の低価格」にこだわっていた。
それが、広い間取りを好み、低価格に吸い寄せられる消費者の欲望をつかむことに成功した。
商品企画は、本来ディベロッパーが取り組む仕事であるが、ディベロッパーの足りないところを補完する役割をもつ。
「売れないところをどう売るか」から商品企画は出発しているのだ。
良いものをどうつくるか、というところから発想していない。
他の分譲マンションとの厳しい競争を制して、どうやって早く売っていくかが、事の要になる。
商品企画業の仕広告は、チラシと新聞広告とテレビが中心。
駅でチラシを配るのは、販売代理会社や広告宣伝会社が行っている。
ディベロッパーが自分のところの従業員を使うと高くつくからである。
企画会社が広告の提案をしたり、広告代理店が企画会社をディベロッパーに紹介したりすることもある。
広告代は経費のなかで大きな比重を占める。
だいたい総事業費の3~5%くらいになる。
絶好調物件は、住宅情報への広告掲載一発で即日完売してしまうこともある。
当然、利益も多く出てくる。
チラシだけで売ってしまう場合もあれば、テレビで広告を流し続けて売るマンションもある。
広い範囲から客がほしい場合は、テレビで広告しないわけにはいかない。
広告の仕方は商品の性格によって異なる。
プロジェクトごとに広告費用を管理しているが、販売に苦労する案件には、広告費も多く注ぎ込まざるをえない。
ディベロッパーの担当者次第で、広告費用のかかり方が違う。
広告代理店に丸投げしているような担当者の案件は、高い広告費を支払うことになる。
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